実際に経済波及効果を試算してみましょう!

前回は、産業連関表を用いた経済波及効果の導出方法についてご説明をしましたが、
正直、前回のような書き方では、よく伝わっていないと思っていますので、
今回、これをお読みになった方が「海賊王に俺はなる!」じゃなくて
「経済波及効果の導出が俺は出来る!」と言う感じになれるよう書きたいと思います。

まず産業連関表を用いて経済波及効果を導出するには、
①消費支出から「最終需要増加額を推計」し、
②最終需要増加額を各部門に入力すれば「勝手に計算をしてくれる産業連関表」があればOKなんです。

でもって②の「勝手に計算をしてくれる産業連関表」は、コチラから↓ダウンロードできます。
総務省:「経済波及効果を計算してみましょう-平成17年産業連関表(34部門別)-
分析シートはこちら(EXCEL:62KB) コチラのエクセルをダウンロードしてください。
「分析シートの使い方」も一緒にダウンロードされるといいかもしれません!

※ただしこちらの分析シートは、間接効果の一次波及効果までしか分析は出来ません。

千葉県限定ですとコチラから↓ダウンロードできます。
千葉県HP:「産業連関表を利用しよう
簡易分析ツール(36部門)(エクセル:208KB) コチラのエクセルをダウンロードしてください。

正直コチラの分析ツールは完璧に作られていますので凄いです!
なので、こちらの分析ツールをベースに各県の産業連関表のデータに書き換えれば
各県用の産業連関表が作れるということになります。

ということで、②は総務省の分析シートを利用すればOKですので、
①の「最終需要増加額」の推計が出来れば経済波及効果が導出できると言うことになります。

では「最終需要増加額」の推計ってどうやってやるの?と言うことになりますが
今回は、具体的にご説明をしたと考えていますので、
例として、
地域イベントの最終需要増加額の推計をご説明したいと思います。
最終需要増加額の推計は、消費支出から推計しますので、

まずイベントでの消費支出を考えます。
イベントの消費支出は、
・主催者側
・来場者側
の2つに大別されます。

主催者側の消費支出は、市の観光課あたりに
「経済波及効果の研究をしておりまして、○○祭りの会計明細書の内訳を教えていただきたいのですが…」
と言う感じで連絡をすれば情報を提供してくれると思います。
またこの時にそのお祭りの「来場者数」も必要な情報ですのでゲットしておいてください。

次ぎに来場者側の消費支出ですが、
イベントでの来場者側の消費支出はだいたい以下の5つになります。
・宿泊費
・交通費
・土産・買物代
・飲食費
・入場料が掛かるイベントの場合はその売上(主催者側から情報を提供して貰う)

この内の4つの消費支出の推計方法は、
①来場者にアンケート調査を行って推計する。
②観光庁や県や市の統計データから推計をする。

今回は、①の来場者にアンケート調査を行って推計する方法でご説明します。
コチラの方が推計結果の精度が高いからです!(`・ω・´)キリッ
(②だと説明が大変なんて言えやしないよ…)

アンケートのサンプル数ですが、これはそのイベントの規模によって
一概に言えませんが、基本多いに越した事はないです。
一応目安としては、来場者数が1万人を超えるのであれば100は欲しいところです。

アンケートで知りたい項目は、
・宿泊費
・交通費(移動手段も聞く)
・土産・買物代
・飲食費
質問した来場者のこれら4つの金額が分かればOKです。

これらの金額が分かれば、各費用ごとの総合計金額を算出し、

各費用ごとの総合計金額÷(サンプル数/来場者数)

上記の式で各消費支出の総額が推計できます。
この各消費ごとの推計された総額が、「最終需要増加額」となります。

「最終需要増加額」が求まりましたので、
この「最終需要増加額」を「勝手に計算をしてくれる産業連関表」の各部門に入力をして行きます。

ここで、各最終需要増加額の部門を教えちゃいます。
来場者側の消費支出
宿泊費、飲食費は「対個人サービス」に振り分ける。
交通費の電車・バスは「運輸」で自動車・オートバイは「石油・石炭製品」それぞれに振り分ける。
土産・買物代は「商業」に振り分ける。
入場料は「対個人サービス」に振り分ける。
(この振り分け作業を「産業格付け」といいます)

次ぎに主催者側ですが
こちらは、そのイベントによって内容がさまざまですので、
コチラから↓「基本分類コード表」をダウンロードし、(一番上にあるファイルです。)
総務省:「平成17年(2005年)産業連関表(確報)結果の概要
基本分類コード表を見ながら各部門に振り分けをしてください。

振り分けが出来ましたら、あとは「勝手に計算をしてくれる産業連関表」の各部門に
産業格付けをした「最終需要増加額」を入力していけば経済波及効果が試算できちゃう訳です!
ヾ(=^▽^=)ノ バンザーイ

とまぁ今回は、4回に渡って経済波及効果について書いてみました。
皆さま、どーでしたでしょうか?少しはお分かりになりましたでしょうか?

今回、網羅的に経済波及効果の導出についてご説明は出来ませんでしたが、正直、今回の記事ほど具体的に経済波及効果の導出方法を書いてあるサイトはないと思っております。
ですので、アンケートさえ取る勇気があれば(もちろん主催者の許可を取ってから行ってくださいね)、皆さまも「海賊王に俺はなる!」じゃなくて「経済波及効果の導出が俺は出来る!」となれるはずです。
これって実は、結構凄いことなのです!なぜなら経済波及効果の試算を金融機関に依頼するとなんと数百万円かかります。勿論精度は、かなり変わりますが…
しかーし!一番最初に書いた通り、経済波及効果はあくまでも目安でしかないので、精度の高さはそれほど重要では無かったりします。所詮推計ですからね。
と言うことで、私としましては、今回の記事を通して、経済波及効果について少しでも興味を持っていただければ幸いです。(*^-^)
それでは、また!

上記の説明の解説動画です。

イベントの経済効果の算出方法 ~産業連関表の分析シートによる計算~ 測定依頼

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