「東京オリンピック開催の経済効果は○兆円」、「楽天日本一による経済効果は○億円」、「くまモンの経済効果は○億円」とスポーツやイベント等の様々な分野で、最近なにかと「経済効果」や「経済波及効果」という言葉を目にする機会が増えてきていると思います。
「経済効果」と「経済波及効果」の意味的な違いは特になく、ドラゴンクエストをドラクエと言っているのと同じで「経済波及効果」の略称が「経済効果」と言うわけです。
私が「経済波及効果」について学習するきっかけになったのは、大学院時代、修士論文のテーマが全く決まらず右往左往しているときに私の研究室の恩師に「こんなのあるけど、どう?」と経済効果入門の本を手渡されたときに「ピーン!」とこれだ!と来たときからです。
ちなみに論文のテーマは、「ご当地キャラクターによる経済波及効果の推計手法の開発」というものです。
(こんなのが大学院の論文テーマと失笑しないでくださいね(・Θ・;))
私の話は、この辺にしときまして、
本日から数回に分けて、経済波及効果について日記を書いて行こうと考えています。
最終的なゴールとして、イベントの経済波及効果の導出まで、ご説明できればと思っております。
(業務内容に「経済波及効果の測定」と書いてあるのに…これじゃ食いぱぐれだな(゚ー゚;A)
まず第一回の本日は、経済波及効果について私の所感を述べたいと思います。
業務内容に「経済波及効果の測定」と書いてありますので、若干言い難い部分がありますが、
正直に言っちゃいます。
経済波及効果で推計された金額は、皆さんが思っているよりも「いい加減なもの」だと言うことです!
ちなみにここで言っている「いい加減」とは、皆さんが思っている「統計学と比べて」と言う意味です。
経済波及効果は、皆さんが一般的に統計と思われている統計学の「推測統計」によって導出しているのではなく、産業連関表と言った統計表などを用いて推計を行うため、そもそも導出するプロセスが違います。
そしてその経済波及効果の推計過程では、どうしても恣意的な部分が混入してしまうため「金額の上澄み」や「マイナスとなる代替効果を無視」など総額を良いように見せる気になれば、それが出来てしまうのです。
経済波及効果の導出方法のお話は、今後詳しくご説明して行きますので、ここではざっくりとしたご説明になりますが、
例えば、観光地やイベントでの経済波及効果を推計する手法には主に、
「産業連関表を用いて推計する方法」と「乗数理論を利用して推計する方法」がありますが、
どちらにしても、まず消費支出を推計する必要があります。
現在、多くの経済波及効果は、産業連関表を用いて推計されています。
消費支出を決める際に、部門分類表から各消費支出を部門ごとに分類を行うのですが
どうしてもそこで恣意的な思惑が混入してしまいます。
まぜならその産業連関表は、5年に一度(西暦の末尾が0及び5の年を対象年)公表されるのですが、
2010年には公表されませんでしたので、現在の最新版は2005年度版と言うことになります。
したがってここ9年間で、生まれた新しい商品・サービスや業種・業態などは部門分類表には
書かれておりませんので、書かれていないものを分類する際にある程度の「えいや」が必要になって来ると言うことです。
つまり、このような恣意性は仕方がないとしても、この消費も支出として「入れちまえー」という恣意的なことも出来てしまうということです。
また産業連関表は国や各地方自治体が作成しておりますが、
語弊を恐れずに言うなれば、産業連関表自体、ざっくりしたものなんです。
なぜなら産業連関表とは、財・サービスが各産業部門間でどのように生産され、販売されたかについてを
一覧表にとりまとめたものなので「マクロなもの」なのです。
つまりそう言ったマクロなものを用いて経済波及効果は導出するので、試算結果もざっくりしたものと言うわけです。
なぜ第一回目から、このような経済波及効果についてネガティブなことを書いたかと言いますと、
あちらこちらで目にする経済波及効果の記事の中に、推計した金額があたかも本当にそのような効果をもたらしたと言う様な表現で、書かれている記事が少なくないからです。
経済波及効果の試算結果は、あくまでも推計結果ですので「目安」でしかないのです。
つまりこの記事を読んでもらった皆さんには、そこの部分をしっかりとお伝えした上で
経済波及効果について、興味を持って頂ければと考えたからです。
経済波及効果は、あくまでも「目安」でしかないですが、
私個人的には、試算結果は大きな額になるので、そこに「夢や希望」を感じることが出来るので大好きな考え方のひとつです。
最後が、大好きとか稚拙な内容になってガックと来てしまった方もいるかと思いますが、
次回も楽しみにしてくださいねー(o^∇^o)ノ
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